自転車パンク論 |
地球の大気 |
タイヤに入れる空気。一言で空気と言っていますが、地球の空気は窒素が約70数%、酸素が約20数%、その他二酸化炭素、アルゴン等がほんの少し含まれています。その空気をタイヤ(チューブ)に入れると、「パンクしていなくても」、「バルブがキチンとしていても」、時間が経つと半分ぐらいに減ってしまいます。それは分子の小さな酸素等が先に、チューブの表面やバルブから少しづつ逃げてしまうためです。 一番わかりやすい例が縁日で売っているヘリウム入りの風船です。最初は元気良く浮かんでいますが次の日には落ちてきて数日でしぼんでしまいます。ヘリウムは酸素以上に小さな分子のため簡単に風船をすり抜けてしまうのです。それに比べ自分の息で膨らませた風船はなかなかしぼみません。息は窒素と二酸化炭素がほとんどで、酸素より分子が大きいからです。 それでは分子が大きくて、不活性で危険のないガスを最初からタイヤに入れておけば空気の減りが少なくなるのではないはないでしょうか。窒素は不活性ガスの代表でもありこの役目にうってつけです。実際実験してみますと、普通の空気より窒素充填のタイヤの方が3倍程度もちがいいのが確認されています。さらにチューブ内部に酸素が無くなるため、酸化によるチューブ内面や虫ゴムの劣化速度が遅くなり、寿命が長くなるという副次効果も結果的にわかってきました。 |
万病のもと |
空気をキチンといれることとパンクの関係を述べてきましたが、空気を入れてないとパンクをしやすくなるだけではなく自転車全体に悪影響を及ぼすようになります。意外と感じるかもしれませんが、タイヤの空気が緩いと、自転車を漕ぐ時のフレームや車輪、クランク、ペダルのベアリングにかかってくるヨレのストレスがまともになってしまい、ガタツキが出やすくなってきます。また車輪のスポークへのストレスも緩和できなくなるため、スポーク折れ、しいてはリム変形につながる事がままあります。一旦どこかにガタツキがでてくるとチェーンやフレームのしなりを通じて次から次へといろいろな場所がおかしくなってきてしまいます。ガタツキの出にくいしっかりした構造の自転車を購入するのはもちろんですが、空気をキチンと入れることが自転車にとって一番のお手入れであることは間違いありません。 |
パンクさせない方法 |
パンクさせない方法は簡単!空気を常にキチンと入れていただければ80%のパンクは回避できます。3日に1回軽く入れていただければ完璧。3日に1度は大変でも最低2週間に1回は入れるべきです。最近の安物チューブは1ヶ月入れないと1/3以上は確実に空気が減ってしまいます。高分子で厚手のスーパーチューブを使えばかなりもちは改善されますが、やはり空気はキチンと入れなければいけません。 @空気をこまめに入れる。 A段差を走るときはサドルから腰を浮かして走る。 B工場周辺、幹線道路はできるだけ避けて走る。 C駅前、パンチコ屋、本屋、暗い駐輪場にできるだけ駐輪しない。 この4つを守れば「多分パンクにあうことはまずありません。」 でも生活の上で「そんなことやってられねー!」って人は、リペアムゲル注入式のノーパンク加工という方法もあります。ホームセンターのノーパンク自転車や、TVコマーシャルしてる大手量販のノーパンク自転車、なんとか通販で売っているアイディア商品的アプローチのノーパンク自転車とは違い「実際の走行実験データと全国リペアムゲルショップの経験が常にフィードバックされている素材」です。他のノーパンクタイヤよりメリットがありますが、やはりエアタイヤの走行性・乗り心地にはかないませんのでTPOに準じて加工をした方が良いと思います。 |