自転車盗難心理学
自分が面倒なら泥棒も面倒
 よく「軽くて持ち運びが便利でめんどくさくないカギを下さい。」というお客さんがいます。確かに本人にとって簡単な方が使い勝手は良いわけですが、通常それは泥棒にとっても簡単に盗むことができるという意味でもあります。カギをつける目的は「盗難されないこと」であり「カギを持ち運ぶ」ということではないはずです。常識的に30kgのカギは持ち運べませんが、100gと300gの差で軽い重いはこの場合関係ないと思うのですが・・・。なぜかそこに固執するお客さんが結構います。

 以前、「どうせ自転車はすぐ盗まれるから、盗まれてももったいなくない安いカギをください。」という人がいました。自転車を盗まれるとカギも一緒に持ってかれるから高いカギでなくて良いという発想でしたので、「カギつけるのはよしなさい」とお断りしたことがありました。商人なのですから言われるとおり売ってしまえばよいのですが。どうもそういう時に我を張ってしまいます。

 基本的に盗難に強いカギは
「意外性を持ったもの」が有効だと思います。でもカギメーカーはいちいち一個づつカギの掛け方が違うものを作れないわけですから、使う人がオリジナリティを持たせたものが一番有効だということになります。例えば自転車のカギにかかわらず住宅のカギも含めって一般的に言うと、こういうカギが強いのではないでしょうか?発想として。
●通常開きドアのカギは鍵穴(ドアノブ)がついている方が開閉するわけですが、ドアノブの方が軸になって本来ヒンジがある側が開閉するようになってとか・・・。
●ドアは通常、開き戸は手前に引くか向こうに押すか、引き戸は左右に引くかどれかですが、例えば斜め下にスライドさせて開けるとは誰も考えないわけです。
●普段はカギがかかっておらずどこかが引っかっているだけで、コツを飲み込めればすぐ開けらるようになっていて、通常のカギ穴でカギを開けようとすると、逆にロックされてしまうとか。

 こういう「あまのじゃく的」な工夫をすれば「自分はかなり面倒」になるわけですが「、盗難には非常に強くなる」わけです。


  自分が面倒なら泥棒も面倒!